本当の自分が、分からない。
自分が本当にしたいことは何なのか。
本当は何が好きなのか。
考えても、考えても、答えが出てこない…。
あれ?自分のことのはずなのに…
ふと、そんな風に感じることは、ありませんか?
実は、以前の私も、まったく同じでした。
何が好きかも、どこへ向かいたいかも分からず、ただ何となく日々をやり過ごしていた時期があります。
だから、もし今あなたがそう感じているとしても、どうか焦らないでください。
それは決して、あなたがおかしいからではありません。
「本当の自分」は、頭で一生懸命考えて見つけるものではないからです。
「嫌い」は分かるのに、「好き」は分からない
不思議なもので、私たちは「何が嫌いか」なら、すぐに答えられます。
苦手な人、避けたい場所、やりたくないこと。
そういうものは、パッと思い浮かびます。
ところが、「何が本当に好きか」となると、意外なほど言葉に詰まってしまう。
心から好きなものが、うまく出てこないのです。
なぜでしょうか?
それは、私たちがずっと世間のいう「~べき」で生きてきたからかもしれません。
その「べき」は、本当にあなたが選んだもの?
こうするべき。
こうあるべき。
そうやって、自分の気持ちよりも「正解」を優先して生きてきました。
その積み重ねが、いつの間にか自分自身を見えにくくしてしまっているんです。
ここで、少し立ち止まって考えてみてください。
あなたが従ってきたその「べき」は、本当にあなた自身が選んだものでしょうか。
もしかすると、世間が「これが正解だ」と決めたものを、いつのまにか自分の意志だと思い込んできただけ——そういう面もあるのではないでしょうか。
気づかないうちに、私たちは自分の心の声よりも、まわりの期待を優先するようになっていきます。
だからこそ、自分の心が本当は何を喜ぶのか、分からなくなってしまうのです。
本当の自分を思い出す、小さなヒント
でも、安心してください。
本当の自分を思い出すヒントは、ちゃんとあります。
しかもそれは、遠くにあるものではありません。
あなたが「心地よい」と感じる瞬間の中に、静かに隠れているんです。
日々の暮らしの中で、ふっと心がゆるむ瞬間。
それを、丁寧に拾い上げてみてください。
たとえば、朝の光を浴びるとき。
好きな本を、お気に入りのカフェで読んでいるとき。
誰かと、心から声をあげて笑い合うとき。
その何気ない心地よさの中にこそ、本当のあなたが求めているものが隠れています。
頭で分析する必要はありません。
ただ、「あ、今いい感じだな」と感じた瞬間を、見逃さないでいるだけでいいのです。
「~べき」ではなく、「心地よさ」で選ぶ
これからは、選ぶ基準を少しだけ変えてみましょう。
「~べき」で選ぶのではなく、「心地よいか」で選ぶ。
その基準を大切にしていくと、あなたの毎日は、少しずつ「あなたらしいもの」へと変わっていきます。
大きな決断でなくてもかまいません。
今日のランチ、休日の過ごし方、そんな小さな選択からで十分です。
本当の自分は、探すものではなく「感じ取る」もの
最後に、いちばん大切なことをお伝えします。
本当の自分とは、必死に探し出すものではありません。
日々の中で、少しずつ感じ取っていくものです。
あなたの心が喜ぶ瞬間を、一つ、また一つと増やしていく。
その積み重ねこそが、本当のあなたへと還っていく、確かな道になります。
考えても答えが出ないときは、一度考えるのをやめて、感じてみてください。
今日あなたの心が、ほんの少しゆるんだ瞬間はどこにありましたか。
その小さな心地よさが、本当のあなたへの入り口です。
不安定な世の中で、生き迷ってしまう瞬間は、きっと誰にでもあります。
あなただけではありません。
この文章が、かつての私のように立ち止まっている誰かの、ほんの小さな灯りになればと願っています。

